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元クルーズ船スパ勤務セラピストの人生を幸せにするヒント

オーストラリアでセラピスト留学⑤ 異国での闘い〜いち留学生が学校を変えるまで〜マッサージの国際資格ITECとオーストラリアの国家資格Diploma of Remedial Massage

ITEC という資格を聞いたことがありますか?

私が留学中、一番多く口にした単語かもしれません。

 

マッサージの国際資格です。

船上のセラピストになるためには、

この資格が必須だと思い込んでいたため、

どうしても取得したかったのです。

以前にも書きましたが、この資格が取れるというのも、

ACNTという学校を選んだ理由でした。

 

なのに!

いざ通学してみると、どこにもその説明がない。

問い合わせると、

「ああ、昔はやってたよね〜」という返事。

いやいやいや困るし!復活させてよ!!

と、私と学校の戦いが始まったのです。。。

 

まずは、マッサージコースの先生たちに掛け合ってみます。

が、先生たちも雇われの身。

どうすることもできません。

 

コースを取り仕切る本部の事務員に尋ねると、

その時は前向きな返事ながら、

次に会っても、催促しても、梨のつぶて。

 

タームが変わって、さらに上層部にメールを送るも、

あっさり開催できないとの返事。

 

そんな時、オーストラリアのマッサージの制度が変わり、

そもそもDiploma of Remedial Massage の資格すら

取れないのではないか?という噂が流れ始めました。

 

当時、私の学校ACNTでは、

CertificationⅣという1ターム(3か月)の基礎コース終了後、

Diplomaの2ターム(6か月)に進むという流れでした。

 

それが、ざっくりいうと、

今後Diplomaと認められるのは、1年以上のコースに限る

と、オーストラリア政府からお達しがあったのです。

 

このままACNTにいても、意味がないかもしれない。。。

CertⅣが終わると、TAFE*1に転校していったオージーが多かったです。

私も少し悩みましたが、マッサージコースのある、

留学生を受け入れているTAFEが限られており、

やっと生活基盤が整ってきたシドニーを離れる決断はできませんでした。

 

生徒の流出もあり、学校側もこの件は本気を出しました。

何度も私たちに向けて説明会が行われ、

こちらの要望も主張しました。

例えば、コースが延長になると、留学ビザも延長しなければなりません。

その費用を学校側に補助してほしい、など。

 そして私はここぞとばかりに、ITEC開催も訴えました。

 

紆余曲折ありながら、最終的にコースは延長され、

無事にDiplomaも発行されることに決まりました。

私たちの代は延長分の学費も少し免除され、

ビザ延長代も申請すれば返金してもらえました。

 

しかし、ITECについては何の音沙汰もありません。

本部へ送ったメールもすべて無視されました。

 

卒業までの時間が迫ってくるし、

このまま資格が取得できず、

船に乗れなかったらどうしてくれるんだ!と、

私の焦りと怒りはピークでした。

 

そんな時に、懇意にしてくれていた事務の職員さんが、

署名を集めて嘆願書を提出することを助言してくれたのです。

私はすぐにフォーマットを作りました。

味方をしてくれていた講師の先生が時間をくれたので、

協力してくれるよう授業中に演説もしました。

結果、80名以上の署名が集まりました。

 

添える嘆願書もいろんな人にチェックしてもらい、

もうこれで完璧、きっと学校も動いてくれる、

そう信じて、書類を提出しました。

 

つづく。

 

 

*1:TAFEとは、オーストラリアの公立の専門学校です